看護部では「かけがえのない命と人間性を尊重し、あたたかい心で、質の高い看護を提供します」と理念を掲げています。看護部の職員は看護師、介護福祉士、看護助手の3職種で構成され、それぞれの機能と役割をもって働いています。看護・介護には質の高い知識・技術はもちろんのこと、豊かな想像力と実行力が求められます。認知に障害があったり意識障害があったりして意思を伝えられない患者さんにおいても、相手が今何を思っているのか、何を期待しているのか、ご家族や周囲の方からの情報やわずかな反応から想像することが大切です。そして、それに応えたいという思いを行為としてカタチにできるところが醍醐味でもあります。あたたかい心と柔軟な発想を持って患者さんとご家族のために頑張る、そんな看護部職員を育成していきたいと思っています。
また、患者さんとご家族ができるだけ長く日常の暮らしを継続できるよう、入院してもできるだけ早くそれを取り戻せるよう支援することは看護の大きな役割です。「介護」を必要とする患者さんは年々増加しています。患者さんの退院を困難にする要因をそれぞれの立場から考え、情報を共有し的確な介入をしていく必要があります。当院では医療・看護・介護がお互いの専門性を発揮し、患者さんをとりまくチームの一員として連携・協働すること、患者さんとご家族の目線で考えた支援を行うことなど、在宅復帰支援において最善最適な看護・介護の提供ができることを目指しています。
当院の看護方式は受け持ち看護師制をとっています。入院から退院まで受け持ち看護師が責任をもちます。交代制勤務であっても役割がしっかりと果たせるよう、退院支援調整看護師を各病棟に配置して、受け持ち看護師と密に情報交換をしながら退院支援を行っています。患者さんの状態に合わせて自宅訪問や多職種でのカンファレンスへの参加なども行っています。
人材育成においてはテクニカルスキル、マネジメントスキル、ヒューマンスキルがバランスよく身につけられるように、各職種がそれぞれのスキルを学ぶ研修を個別に年間計画しています。とくにテクニカルスキルは各自が学びたいことを面接で確認し計画の段階で尊重しています。2019年度よりクリニカルラダー制度を導入し研修もさらに充実してきています。また、資格取得では本人の希望をできる限りかなえられるよう支援しています。
早良病院では職員が活き活きと働ける環境づくり、ワーク・ライフ・バランスに配慮し安心して仕事が続けられる環境づくり、職員が個々の能力を発揮し自己成長を支援する環境づくりに力を入れています。
看護部長石橋美香